일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おおさかはっけん

大阪発見

織田 作之助

織田 作之助의 大阪発見(おおさかはっけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,179자 · 16화면

아오조라 문고

しかし、彼女たちは知っている。彼女たち――すなわち、此の界隈で働く女たち、丸髷の仲居、パアマネント・ウエーヴをした職業婦人、もっさりした洋髪の娼妓、こっぽりをはいた半玉、そして銀杏返しや島田の芸者たち……高下駄をはいてコートを着て、何ごとかぶつぶつ願を掛けている――雨の日も欠かさないのだ。

彼女たちはただ願掛けの文句を拝むだけでは、満足出来ない。信心には形式がいる。そこで、たとえば不動明王の前には井戸がある。この井戸の水を「洗心水」という。けがれた心を洗いまひょと、彼女たちは不動明王の尊像に水をかける。何十年来一日も欠かさず水をそそがれた不動明王の体からは蒼い苔がふき出している。むろん乾いたためしはない。燈火の火が消えぬように。

水をかけ終ると、やがて彼女たちはおみくじをひく。あっ? 凶だ。

しかし、心配はいらぬ。石づくりの狐が一匹居る。口に隙間がある。凶のおみくじをひいたときは、その隙間へおみくじを縛りつけて置く。すると、まんまと凶を転じて吉とすることが出来る。

「どうか吉にしたっとくなはれ」

祈る女の前に賽銭箱、頭の上に奉納提灯、そして線香のにおいが愚かな女の心を、女の顔を安らかにする。