후리가나로 읽는 일본 고전
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ぐじんのどく
大雷雨夜の殺人 他8編
小酒井 不木
小酒井 不木의 大雷雨夜の殺人 他8編(ぐじんのどく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,456자 · 55화면
保一くんは幼時より不良性を帯びていました。そうして、最近は母を恨むべき境遇に置かれていました。兄とは義理の仲である。いや、たとい肉親の兄であっても、背に腹は代えられぬ。これはひとつこのまたとない機会を利用して、危険ではあるが一芝居打ってみようと考えつかなかったとはだれが保証し得ましょう。不良性を帯びた人は、悪を行う知恵は鋭敏に働くものです。ことに都合のよいことには、自分が売薬店を開いていることです。すなわち、亜砒酸は手もとにある。ただそれを利用すればよいのだ。こう考えて亜砒酸を携え、奥田家へやって来たのだと推定しても、あえて不合理ではないと思います」
山本医師は検事の言葉に、つくづく感じ入った。想像とはいいながら、いかにも事実を言い当てているように思えたので、思わず賛嘆の微笑を洩らした。しかし検事は、山本医師の微笑をも知らぬ顔して、論述を進めた。
「しからば、保一くんはいかにしてその亜砒酸を母親に飲ませたでしょうか。そこが健吉くんの場合と等しく問題なのです。もちろん、保一くんも母の病気がマラリアであるとは知らず、兄の健吉くんが母親に毒を与えているものと信じていたのですが、いかなる方法で兄が母親に毒を飲ませているかは知らなかったのです。