후리가나로 읽는 일본 고전
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てんかいっぴん
天下一品
小川 未明
小川 未明의 天下一品(てんかいっぴん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,874자 · 14화면
」
「さようでございます。」
「どうだ、私に、千三百両で譲ってくださらんか。」と、隣村の金持ちは頼みました。
男は、しめたものだと、心の中で思いましたが、けっして、顔には見せませんでした。
「なにしろ、先祖代々からの宝物ですから、なるべくなら手放したくないと思っています。よく考えてからご返事申しあげます。」と、男は答えました。
隣村の金持ちは、またくるといって、その日は帰ってしまいました。
後で、男は、これは、またなんというしあわせが自分の身の上にわいてきたものかと考えると、頭がなんとなくぼんやりしてしまいました。そして、それからというものは、仕事が手につかず、圃へも出ませんでした。男は、口の中で、千三百両……と、口癖になって、繰り返して、いっていました。
「地所を買うこともできる。見物に出かけることもできる。」と、独り言をして、夜が明けると、日が暮れるまで、夢を見るような気持ちでいました。すると、そのとき、
「この田舎でさえ、千両や、千三百両で売れる仏像だ。町へいって見せたら、もっと、高く売れないともかぎらない。」と、ある人は、男に向かっていいました。
男も、なるほどと考えました。