후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
だざいおさむとのいちにち
太宰治との一日
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 太宰治との一日(だざいおさむとのいちにち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,591자 · 8화면
昭和二十三年四月二十五日、日曜日の、午後のこと、電話があった。
「太宰ですが、これから伺っても、宜しいでしょうか。」
声の主は、太宰自身でなく、さっちゃんだ。――さっちゃんというのは、吾々の間の呼び名で、本名は山崎富栄さん。
日曜日はたいてい私のところには来客がない。太宰とゆっくり出来るなと思った。
やがて、二人は現われた。――考えてみるに、太宰は三鷹にいるし、私は本郷にいるので、時間から推して、お茶の水あたりからの電話だったらしい。伺っても宜しいかというのは一応の儀礼で、実は私の在否を確かめるためのものであったろうか。
「今日は愚痴をこぼしに来ました。愚痴を聞いて下さい。」と太宰は言う。
彼がそんなことを言うのは初めてだ。いや、彼はなかなかそんなことを言う男ではない。心にどんな悩みを持っていようと、人前では快活を装うのが彼の性分だ。
私は彼の仕事のことを聞いた。半分ばかり出来上ったらしい。――彼はその頃、「展望」に連載する小説「人間失格」にとりかかっていた。筑摩書房の古田氏の世話で、熱海に行って前半を書き、大宮に行って後半を書いたが、その中間、熱海から帰って来たあとで私のところへ来たのである。