일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

野村 胡堂의 奇談クラブ〔戦後版〕(きだんクラブ〔せんごばん〕)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,195자 · 22화면

아오조라 문고

プロローグ

プロローグ

何年目かで開かれた、それは本当に久し振りの「奇談クラブ」でした。会長の吉井明子嬢は三十近い吉井明子夫人になって、たけく美しく、世にもめでたい令夫人になりましたが、限りなくロマンスを追う情熱は、少しも吉井明子嬢の昔に変りは無く、幹事の今八郎を督励して、吉井合名会社の会議室に、昔の会員達を集めたのです。

今八郎が半白の中老人になったように、若くて華やかだった会員達も、多くは分別臭い年輩になってしまいましたが、吉井明子夫人の案で、新に十数名の若い会員を加えたので、例の会議室の真珠色の光の中に集まった会員の空気は、思いも寄らぬ溌溂さがあり、それは青春の匂いさえも感じさせる生々したものだったのです。

スクリアビンが、音楽に色彩と光線と、香料さえも採り容れて、聴衆のあらゆる官能を動員したように、「奇談クラブ」の舞台装置と、その責道具もまた、一つの立派な綜合芸術でした。クリーム色の四壁に、ほのかに反射し合う真珠色の光や、何処からともなく聴えて来る、クラヴサンやヴィオラ・ダ・ガンバや――今の世の生活には縁の遠い古代の楽器から発するほのかな音楽や、沈香や白檀をくらしい幽雅な香の匂いなどは、会場へ入ったばかりでも、我々を夢幻の境地に誘い込まずには措きません。