일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

野村 胡堂의 奇談クラブ〔戦後版〕(きだんクラブ〔せんごばん〕)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,286자 · 20화면

아오조라 문고

幸い落ち散る抜刀が一腰、争う弾みに、二人の曲者の一人が投げ出したのでしょう。

それを振り冠って、一瞬の猶予もなく、娘を押えた男の肩先へ、鉄をも断てと斬り込んだのです。

袷の上から、大なまくらな腕で斬り付けたので、それは蚯蚓腫れほどの傷をつけたか何うかわかりませんが、二人の曲者を驚かすには十分でした。

たった一人の娘っ子をさえ、殆んど持て余していた二人です。恰幅だけは立派な頼門が、素裸で飛込んで斬り付けた気組は、まさに圧倒的でそして効果的でさえありました。

「いけねえ、逃げろ、兄弟」

「いまいましいが、向うから、親父も来やがる」

二人の曲者は何やらしめし合せると、娘を見棄ててサッと山の中へ、狩られた兎のように飛込んでしまいました。

「どうした、怪我は無いか」

頼門はその手を取って引返す術も知らず、娘の側に立って鷹揚に訊ねました。

「有難う御座います、お蔭様で」

娘は顔を上げる気力もなく、両手にふくよかな乳房を隠して小さくふるえて居ります。

黒髪は肩から背へと乱れて居りますが、大理石を彫んで血を通わせたような、胸から腰への線の美しさ。脂粉の中におった出雲守ですが、世の中にこれほど美しく尊いもののあることを、曾て想像もしたことが無かったのです。