후리가나로 읽는 일본 고전
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
野村 胡堂의 奇談クラブ〔戦後版〕(きだんクラブ〔せんごばん〕)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,235자 · 22화면
納豆も栄養があるから好き、ビフテキも栄養があるから結構、醍醐味でも甘露でも、口ざわりの美しさだけで栄養が無ければ、私にとっては何んの値打もありません。幸い人間の舌は非常によく出来た機構で、多くの場合栄養があれば即ちうまく感じさせるのです。放牧の馬や牛や羊は、教えなくとも草を選って食べます。人間の眼や鼻は残念ながら栄養を識別するほど鋭敏な器官ではありませんが、幸いに舌という検察官があって、口中に入るものの美味と不味とを区別し、人間の美味と感ずるものは、大抵の場合人間の身体に必要な栄養を持っているように出来ているのであります。私の栄養第一主義がすなわち美味第一主義に通じ、従って御主人伯爵の食道楽と一脈相通ずるわけであります」
林敬五郎は物馴れた実業家らしく、こう要領よく結びました。
続いて起ったのは――いや海蔵寺伯爵に促されて、やむを得ず起ったのは、その頃一世を風靡したソプラノ歌手で、フランスから帰ったばかりの若々しい松尾葉子嬢でした。
松尾葉子――松尾葉子――皆様のうちには、まだこの名を記憶している方も少くないことでしょう。日本の女流歌手といえば、オペラの歌い手か、ドイツ・リードの歌い手に限られた頃、フランス風の柔かいメロディを歌って、一部の好楽者に限りない敬慕を寄せられた松尾葉子は、全く当時の日本において