후리가나로 읽는 일본 고전
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おんなのてちょう
女の手帖
宮本 百合子
宮本 百合子의 女の手帖(おんなのてちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,118자 · 7화면
安達ヶ原
群馬の或るところに恐ろしい人肉事件が起った。また再び詳しく話し返すに堪えない残忍な話である。今日、食糧事情はそこまで逼迫しているという人もあろうが、難破して漂流している孤舟の中に生じた事件と仮定してさえも、私ども正常の人間性はその残酷さを許し得ないのである。ましてやこの事件は、単純きわまる残忍さが徹底している点で言語道断な特殊な一例である。
さてここに注目されていることは、不幸なめぐりあわせに陥った被害者が、その家庭で継娘という立場にあったことである。あの記事をよんで、日本中には少くない同じ立場の若い娘たちが、人知れずどんな恐怖にうたれたであろう。昔から可哀そうな少女のお話の女主人公は継娘ときまっていて、ヨーロッパにも「シンデレラ」の物語がある。女の感情生活は社会のひろい風に吹かれていないから、母性も粗野で愛情はともすれば動物的に傾きやすい。「家」という昔ながらの封建のしきたりは、どういう偶然で、どんな女を母という強制として一人の娘の運命にさし向けないとも限らないのである。隣家の小母さんであるならば、鬼女もその娘に手をのばしはしなかったろう。