후리가나로 읽는 일본 고전
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おんなけんし
女剣士
坂口 安吾의 女剣士(おんなけんし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,694자 · 74화면
石毛存八は刑務所をでると、鍋釜バケツからタオル歯ブラシに至るまで世帯道具一式を買ってナンキン袋につめこんだ。物事はハジメがカンジンだ。その心になったら、まず何よりもそれにとりかかることがカンジンだ。小さいながらも世帯を持ちたいと思ったら、まず鍋釜を買っちまうのだ。そして鍋釜にかけても世帯を持たねばならぬと盲メッポウ一路バクシンの執念をもつことだ。これが存八の刑務所をでるに際して深く期した心構えで、もう足りない物はないかと何度も考えてみたあげく、惜しげもなく賑やかな市街に別れをつげて、大友飯場へのりこんだのである。小頭の常サンは存八を覚えていて、
「ウム。コソか」
と云った。コソ泥のコソである。存八はこれを云われるのが何よりつらい。犯罪者の前身を思いだしたり人に知られたりするのがつらいのではなくて、コソ泥というチャチな呼び名がつらいのだ。
コソ泥ながら存八は前科四犯だ。しかし、四度目に刑務所入りしても、コソ泥はコソ泥で、彼に限って仲間にそう呼ばれる。よほどコソ泥的に生れついているらしい。自分だけが特別チャチな生れつきのような気がして、コソとよばれるのが何より切ないのだ。