후리가나로 읽는 일본 고전
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がくもんのすすめ
学問のすすめ
福沢 諭吉
福沢 諭吉의 学問のすすめ(がくもんのすすめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 87,080자 · 170화면
ただ一つの心配は己が預かりの帳面に筆の働きをもって極内の仕事を行なわんとするの一事のみ。鷲に等しき旦那の眼力もそれまでには及び兼ね、律儀一偏の忠助と思いのほかに、駆落ちかまたは頓死のその跡にて帳面を改むれば、洞のごとき大穴をあけ、はじめて人物の頼み難きを歎息するのみ。されどもこは人物の頼み難きにあらず、専制の頼み難きなり。旦那と忠助とは赤の他人の大人にあらずや。その忠助に商売の割合をば約束もせずして、子供のごとくにこれを扱わんとせしは旦那の不了簡と言うべきなり。
右のごとく上下貴賤の名分を正し、ただその名のみを主張して専制の権を行なわんとするの原因よりして、その毒の吹き出すところは人間に流行する欺詐術策の容体なり。この病に罹る者を偽君子と名づく。譬えば封建の世に大名の家来は表向きみな忠臣のつもりにて、その形を見れば君臣上下の名分を正し、辞儀をするにも敷居一筋の内外を争い、亡君の逮夜には精進を守り、若殿の誕生には上下を着し、年頭の祝儀、菩提所の参詣、一人も欠席あることなし。その口吻にいわく、「貧は士の常、尽忠報国」またいわく、「その食を食む者はその事に死す」