후리가나로 읽는 일본 고전
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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
坂口 安吾의 安吾の新日本地理(あんごのしんにほんちり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 24,085자 · 48화면
私が牡鹿半島を南下したのは、鮎川という南端の漁港へ行くためだ。鮎川といったって鮎がとれるわけではありません。ここは鯨とりが専門の港なのです。金華山といえば鯨と思いつくのは常識ですが、その金華山沖の鯨を一手に捕っているのが鮎川町です。皆さんは御存じかも知れませんが、私はこの地へくるまでこんなところに捕鯨専門の漁港があることを知らなかったのです。
むかし、むかし、紀州に覚右衛門とかいう捕鯨の大親分の大金持がいた話は物の本でよんだことがあったが、今まで捕鯨といえば南氷洋、プロ野球でオナジミの大洋漁業とか日本水産というところが大いに活躍している程度のことしか知らなかった。
第一、私は戦争中、イルカとクジラの肉には散々悩まされた記憶が忘れがたいのだ。銀座へんの食堂へ行列して洋食を食う。ビフテキだのコロッケだのと云うのが、みんなクジラだのイルカの肉だ。食ったが最後、二三日鼻のマワリに臭気が残って、思いだすと吐きそうになる。そのために私はコンリンザイ洋食屋へは行列せず、どんなに無味であるにしても雑炊食堂の方をむしろ選んだのである。
鯨にはうまい鯨とまずい鯨と二種類あるのだそうだ。