일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

佐藤 垢石의 完本 たぬき汁(たぬきじる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,158자 · 273화면

아오조라 문고

そして、鬢髪に白いものを数える初老の頃になり尾羽打ち枯らして、二十数年振りで故郷の家へ戻ってきた。老父は、冷たい眼で私を見た。嫁いだ妹は、兄を見損なったとかげでいったそうだ。京都の姉に、申訳がないと言って老父にざんげしたという。

でも、私と家内は貧しいなかをなんとか繰りまわし、みゑ子と千鶴子を県立の女学校へ入学させた。故郷へ帰ってきてからの、私の働きはほんとうに乏しいものであった。私は過去を顧み、将来を思い人生の涯を味わっていた。その貧しい間にありながら、妻は何の不平もなく五人の子供を育て、私を労り励ましてきた。よく、貧乏に堪えた。そして、愛を護ってきた。

ところが、突然私らの魂に熱湯を注ぎかけたような事件が勃発した。それはみゑ子が、女学校二年、十五歳の暮れのできごとであった。第二学期の試験が済んで、暮れの二十五日の朝、みゑ子は学校の終業式へ出て行った。ところで、みゑ子はいつも学校がすむと道草食うことなどなく直ぐ家へ帰ってくるのであるけれど、その日に限ってみゑ子は、冬の陽が暮れかかる頃まで、家へ姿を見せなかった。家内は、明日から冬休みに入るのであるから友達の家へ遊びに寄ったか、それとも自分の里方である学校から一里ばかり離れた村の方へ行ったか、あるいは妹の嫁ぎ先の家へまわったかも知れない。