후리가나로 읽는 일본 고전
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ふじ
富士
岡本 かの子
岡本 かの子의 富士(ふじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 40,579자 · 82화면
一甕の酒も備えてある。
狩の慰みにもと長押に丸木弓と胡が用意されてあった。
息子の夫妻は朝夕の間候を怠らず、食事どきの食事はいつも饗宴のような手厚さであった。
息子夫妻のそつの無い歓待振りはまことに十二分の親孝行に違いなかった。普通にいえばこれで満足すべきであろう。だが父の祖神の翁には物足りないものがあった。
息子夫妻が父の祖神の翁に顔を合すとき、大体話は山の生産の模様、山民の生活の状況、それ等を統ねて行く岳神としての支配の有様、そのようなものであった。それは誰が聴いても円満で見上げたものであった。山民間に起った面白そうな出来事を噂話のように喋っても呉れた。だが、それだけだった。
親子関係を離れて誰に向っても話せる筋合いの事柄ばかりである。折角、親子がたまにめぐり合うのは、もっと心情に食い込んだ、親子でなければできないという気持の話はないものか。人知れない苦労というものが息子の岳神にはないのか、囁いて力付けて貰ったり、慰めて貰ったりしたい秘密性の話はないのか。
気を付けてみるのに、息子の岳神のこの公的な円満性は、妻に対してでもそうであった。
夫妻は睦くて仲が良い。