일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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どんぐり

寺田寅彦随筆集 第一巻

寺田 寅彦

寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第一巻(どんぐり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,161자 · 412화면

아오조라 문고

物理学と感覚

人間がその周囲の自然界の事物に対する知識経験の基になる材料は、いずれも直接間接に吾人の五感を通じて供給されるものである。生まれつき盲目で視神経の能力を欠いた人間には色という言葉はなんらの意味を持たない、物体の性質から色という観念をぬき出して考える事がどうしてもできない。トルストイのおとぎ話に牛乳の白色という観念を盲者に理解させようとしてむだ骨折りをする話がある。雪のようだと言えばそんなに冷たいかとこたえ白うさぎのようだと言えばそんなに毛深い柔らかいのかと聞きかえした。

それでもし生まれつき盲目でその上に聾な人間があったら、その人の世界はただ触覚、嗅覚、味覚ならびに自分の筋肉の運動に連関して生ずる感覚のみの世界であって、われわれ普通な人間の時間や空間や物質に対する観念とはよほど違った観念を持っているに相違ない。もし世界じゅうの人間が残らず盲目で聾唖であったらどうであろうか。このような触覚ばかりの世界でもこのような人間には一種の知識経験が成立しそれがだんだんに発達し系統が立ってそして一種の物理的科学が成立しうる事は疑いない事であろう。しかしその物理学の内容はちょっと吾人の想像し難いようなものに相違ない。