후리가나로 읽는 일본 고전
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どんぐり
寺田寅彦随筆集 第一巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第一巻(どんぐり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,161자 · 412화면
はまだ本物になっていないと思う。
十一月十日、木曜。池袋から乗り換えて東上線の成増駅まで行った。途中の景色が私には非常に気にいった。見渡す限り平坦なようであるが、全体が海抜幾メートルかの高台になっている事は、ところどころにくぼんだ谷があるので始めてわかる。そういう谷の所にはきまって松や雑木の林がある。この谷の遠く開けて行くさきには大河のある事を思わせる。畑の中に点々と碁布した民家は、きまったように森を背負って西北の風を防いでいる。なるほど吹きさらしでは冬がしのがれまい。
私の郷里のように、また日本の大部分のように、どちらを見てもすぐ鼻の先に山がそびえていて、わずかの低地にはうっとうしい水田ばかりしかない土地に育ったものには、このような景色は珍しくて、そしていかにも明るく平和にのびのびした感じがする。これと言って特にさすもののないために一見単調なように見えるが、その中にかなり複雑な、しかし柔らかな変化は含まれている。あまりに強い日常の刺激に疲れたものの目にはこのようなながめがまたなくありがたい。
米を食って育っていながらこういう事をいうのはすまないが、水田というものの景色はなぜか私には陰気な不健康な感じを与える。