후리가나로 읽는 일본 고전
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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第五巻(あひるとさる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 194,515자 · 389화면
「私はNの兄ですが、いつかお尋ねした時はおかげんが悪いというのでお目にかかれませんでして」と言う。ちっとも覚えがないし、第一自分の近い交遊の範囲内にNという姓の人は一人もないようである。
なんだか急に帰りたくなって来た。便船はないかと聞いてみるとそんなものはこの島にはないという。このあいだ○○帝大総長が帰る時は八挺艪の漁船を仕立てて送ったのだという。
宅へ沙汰なしでうっかりこんな所へ来てしまって、いつ帰られるかわからないことになって、これは困ったことができたと思って、黒い海面のかなたの雲霧の中をながめていたら目がさめた。胃のぐあいが悪くて腹が引きつるようであった。そのためにこんな不安な夢を見たのであろう。
前々日A研究所の食堂で雑談の際に今度政府で新計画の航空路のうわさが出て、大阪から高知までたった一時間五十五分で行かれるというような事を話し合った。その時自分の意識の底層に郷里の高知の町の影像が動きかけたが、それっきりで表層までは現われないで消えていた。それが夢の中で高知の播磨屋橋を呼び出し、また飛行機の構造か何かが二重層の文化街を暗示したのではないかと思われる。