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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第五巻(あひるとさる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 194,515자 · 389화면
甲を一、乙を二、丙を三と順々に置き換えてしまえば、たとえば二十三と言う代わりに乙丙と言っても文字がめんどうなだけで理屈は同じである。これに反して干支法は言わば複式の数え方で、十進法と十二進法との特殊な結合である。甲子を一とし乙丑を二とすれば甲戌は十一であり丙子は十三になる、少しめんどうなだけに、それだけの長所はあるのである。
おもしろいことには、偶然ではあろうが、太陽黒点の週期が約十一年であって、これが十干の十年と十二支の十二年との中間に当たっている。それで、太陽黒点と関係のあるらしい週期的な気象学的あるいは気候学的現象の異同が自然に干支と同じような週期性を示すことがしばしば起こりうるわけである。たとえばある特定の地方である「水の兄」の年に偶然水害があった場合に、それから十一年後の「水の弟」の年に同じような水害の起こる確率が相当多いという事もあるかもしれない。ある辰年の冬ある地方がひどく乾燥でそのために大火が多かったとして、次の辰年にも同様な乾燥期が来るということには、単なる偶然以外に若干の気候週期的な蓋然率が期待されないこともない。
気候の変化が人間の生理にも若干の影響があるかもしれないとすると、それが胎児の特異性に多少の効果を印銘することが全然ないとも限らないし、そうなると生まれ年の干支とその人の特性