일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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こいわいのいっか

小祝の一家

宮本 百合子

宮本 百合子의 小祝の一家(こいわいのいっか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,193자 · 31화면

아오조라 문고

勉が安全に活動をつづけて行くためには、家をはなれ、よそに室を借りる必要が迫っていた。

最近も雑誌が製本屋へ廻ったとき狙われはじめたことがわかったので、勉は機会をうかがい敏速に数百部の雑誌を運び出してしまった。急のことで発送する場所がない。円タクを盲滅法に市外まで走らせて、或る雑木林へその荷物をかつぎ込んだ。ちょうど土曜日のひる過のことであった。勉が重い荷物でよろめきながら、麗らかな陽のさしとおす欅やクヌギの間を林の奥へ奥へとわけて行くと、不意に芝草の生えた狭い平地へ出てしまった。草の上に、三人若い学生が寝ころがって喋っている。むこうもこっちもびっくりした。学生は一時に話をやめ、一人は起き上ってソフトをかぶり、大きい口をキと結んで荷物を下げている小男の勉を眺めた。

引かえすわけにも行かず、勉はそのまま進んで再び平地のうしろに続いている樹の茂みにわけ入った。いい加減のところで腹をきめ用意の紐や紙をとり出して、包装をはじめた。暫くやっていると、学生たちのいる平地の方角から、高く口笛が響いて来た。勉などの知らないジャズの節であった。が、勉はとっさにその調子のせわしい口笛が自分に向って吹かれていること、そして、警戒を意味していることを直覚した。