후리가나로 읽는 일본 고전
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
正岡 容의 小説 圓朝(しょうせつ えんちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 163,270자 · 325화면
「桂文楽」と書かれた文字はそのまま小意気な文楽師匠の顔に変って、
「そうだ、そうだとも、その通りなんだよ、よくお前さん」
悟ったねえ――と、心から微笑んでくれているように感じられた。
いつか師匠の家の庭を掃きながら落語家を廃めることを思い直したあのとき以上に自分の前後左右がパーッと何だか明るくなって、そこら道ばたに転がっている石ころのひとつひとつさえが、ありがたくてありがたくてならないもののよう考えられてきた。往来のまん中へペタッと坐って、誰にともなく、いや道行く人のありったけに、
「ありがとう、ありがとうございます」
と心から大声で御礼がいいたいくらいだった。
「危ねえ若僧、殺されちまうぞ」
だしぬけにこう怒鳴られて、ハッと小圓太は飛び上がった。すれすれのところに大八車がひとつ。もう少しでもろにぶつかってしまうところだった。
「す、すみません」
ピョコピョコお辞儀をして辺りを見廻すと、甘酸っぱいようなものの立ちこめている晩春の暮れ方。飛び交う蝙蝠の翼を掠めて、ほんのり行く手に五日月がかかっていたが、それにしても一体ここは……。
「ア、いけない」
三河町の千代鶴は、もう十町も手前のほうへと通り越してしまっていた。