후리가나로 읽는 일본 고전
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さんじょうこ
山上湖
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 山上湖(さんじょうこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,912자 · 22화면
何のことやら、彼女自身にも奥さんにも分らないのだ。解釈はどうとも御自由だというのである。そのことを、奥さんは平田に話した。丁度私の夫が、私の恋愛の相手を殺すとか殺さないとか、いきり立ってた時のことだ。平田は私に笑い話として伝えた。だが私は胸にこたえた。私は日蓮宗を信ずるのでもなく、霊感とか霊気とかを信ずるのでもないが、その婦人に逢ってみたくなった。平田はてんで取り合わなかった。彼にとっては、すべて迷信なのだ。
迷信排除と、理論的訂正。
平田は唯物論者なのだ。それもよい。だけど、思いつめたあげくのこの山上の湖水で、強い精神的閃めきを私は彼に期待した。唯物論者にも精神の光輝はあろう。彼の純粋無垢な詩情は、彼の情熱は、唯物論とか唯心論とかには関係なく、精神の純一な光耀から起るものではなかったか。それを彼はどこかに取り落して、愚鈍な不感症みたいになってしまったのであろうか。
私は彼の方へきっと向き直った。頬の肉が引きつるのを押し切って言った。
「わたしの行く通りについて来て下さいますか。」
「ついていくよ。」
「どんな所へでも。」
「ええ、どんな所へでも。」
事もなげな気安い返事だ。