후리가나로 읽는 일본 고전
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やまもとゆうぞうしのきょうち
山本有三氏の境地
宮本 百合子
宮本 百合子의 山本有三氏の境地(やまもとゆうぞうしのきょうち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,155자 · 32화면
今日、山本有三氏の読者というものは、随分ひろい社会の各層に存在していることであろうと思う。
大仏次郎氏などの作品も、吉屋信子氏が読まれるとは別のところに多くの読者をもっていることでは、山本有三氏と同様であろうが、作者と読者との間にある共感の種類は、必ずしもこの二人の作者に於て同じものであるとは思えない。大仏次郎氏の近作「雪崩」などを見ても、読者が大仏氏に牽かれるのは、この作者のこの作者らしい人生観照の或る気分、現代のインテリゲンツィアの一部の人々がよかれあしかれ実際にもっており、或は扮装としてポーズしている知的情感的な或る気分の、文学的表現の味に魅力を感じているのであろうと思われる。大仏氏の読者たちは、大仏氏の作品の裡に、自分たちの現実の姿の断片を発見し、更にその発見によって、自分たちの、実質は案外に貧弱な現実を、些かの雰囲気で装飾することをも見習うのである。
山本有三氏の読者たち、山本氏の作品から何かを期待している人々は、そういう気分を主とした気持より、もっとずっと謂わば野暮くさいものをもって作者に向っていると思う。何か人生的な、何か社会の指針的な、何か誠実な生きてゆく人間の姿の表現を、読者は山本有三氏に求めている。