후리가나로 읽는 일본 고전
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
夢野 久作의 山羊髯編輯長(やぎひげへんしゅうちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,441자 · 102화면
「只今まで警察で厳しいお調(しらべ)を受けましたが、妾(あたし)はマッタク何も存じません。妾はこの亭主に一生苦労をさせ通して死に別れました。子供は無いし、これぞという親戚も無いし、跡(あと)はどうしてよいやら途方に暮れております。
結婚後、血の道から癆性(ろうしょう)になって、そこの灸が利くとか、御祈祷がよいとか聞くたんびに、西から東と走りまわって養生をしておりましたが、その養生の費用を稼ぐばっかりで亭主は一生を終りました。お前が健康(じょうぶ)になってくれさえすれば、どこからか二千円ばかり算段して来て、下駄の卸問屋(おろしどんや)をして、自分で卸してまわるのに……と云うておりましたが、それも今は夢になってしまいました。この家(うち)でも売ってお金にして、門司に居る甥(おい)の処へでも行くより外に仕方はありませぬ……云々……」
こうした言葉を警察では図星(ずぼし)に信じてしまったらしい。結局、犯行の目的がわからぬとなると、直ぐに市内の浮浪狩を初めて、怪しいと思う奴を片(かた)ッ端(ぱし)からタタキ上げたらしい記事が、それから二三日おいて連続的に掲載されているが、つまらない狐鼠泥棒(こそどろ)ぐらいのものを掘出しただけで、下駄屋殺しの嫌疑者らしい者は影法師すら発見出来なかった。