후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんなのしょうがい
嵐・ある女の生涯
島崎 藤村
島崎 藤村의 嵐・ある女の生涯(あるおんなのしょうがい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 47,846자 · 96화면
「俺は歌は読まん。そのかわり若い時分からお父さんの側で、毎日のようにいろいろなことを教わった。聞いて見ろや、何でも俺は言って見せるに――何でも知ってるに――」
次第に戸の外もひっそりとして来た。熊吉は姉を心配するような顔付で、おげんの寝床の側へ来て坐った。熊吉は黙って煙草ばかりふかしていた。おげんの内部に居る二人の人が何時の間にか頭を持上げた。その二人の人が問答を始めた。一人が何か独言を言えば、今一人がそれに相槌を打った。
「熊吉はどうした。熊吉は居ないか」
「居る」
「いや、居ない」
「いや、居る」
「あいつも化物かも知れんぞ」
「化物とは言ってくれた」
「姉の気も知らないで、人を馬鹿にしてけつかって、そんなものが化物でなくて何だぞ」
こういう二人の人は激しく相争うような調子にも成った。
「しッ――黙れ」
「黙らん」
「何故、黙らんか」
「何故でも、黙らん――」
同じ人が裂けて、闘おうとした。生命の焔は恐ろしい力で燃え尽きて行くかのような勢を示した。おげんは自分で自分を制えようとしても、内部から内部からと押出して来るようなその力をどうすることも出来なかった。彼女はひどく嘆息して、そのうちに何か微吟して見ることを思いついた。