일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あるおんなのしょうがい

嵐・ある女の生涯

島崎 藤村

島崎 藤村의 嵐・ある女の生涯(あるおんなのしょうがい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 47,846자 · 96화면

아오조라 문고

ある謡曲の中の一くさりが胸に浮んで来ると、彼女は心覚えの文句を辿り辿り長く声を引いて、時には耳を澄まして自分の嘯くような声に聞き入って、秋の夜の更けることも忘れた。

寝ぼけたような鶏の声がした。

「ホウ、鶏が鳴くげな。鶏も眠られないと見えるわい」

とおげんは言って見たが、ふと気がつくと、熊吉はまだ起きて自分の側に坐っていた。彼女はおよそ何時間ぐらいその床の上に呻き続けたかもよく覚えなかった。唯、しょんぼりと電燈のかげに坐っているような弟の顔が彼女の眼に映った。

翌日は熊吉もにわかに奔走を始めた。おげんは弟が自分のために心配して家を出て行ったことを感づいたが、弟の行先が気になった。ずっと以前に一度、根岸の精神病院に入れられた時の厭わしい記憶がおげんの胸に浮んだ。旦那も国から一緒に出て来た時だった。その時にも彼女の方では、どうしてもそんな病院などには入らないと言い張ったが、旦那が入れと言うものだから、それではどうも仕方がないとあきらめて、それから一年ばかりをあの病院に送って来たことがある。その時の記憶が復た帰って来た。おげんはあの牢獄も同様な場所に身を置くということよりも、狂人の多勢居るところへ行って本物のキ印を見ることを恐れた。