후리가나로 읽는 일본 고전
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じゅんさじしょく
巡査辞職
夢野 久作
夢野 久作의 巡査辞職(じゅんさじしょく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 31,907자 · 63화면
草川巡査はあとからあとから湧き起って、焦げ付くように消えて行く蝉の声のタダ中に、昨夜のままの暗黒を閉め切ってあるらしい奥座敷の雨戸をグルリとまわった時に、云い知れぬ物凄い静けさを感じたように思ったが、やがて半分開いたままの勝手口まで来ると、その暗い台所の中で、何かしていた美しい嫁のマユミが、頭に冠っていた白い手拭を取って、ニコニコしながら顔を出した。
「あら……お出でなされませ」
と叮嚀にお辞儀をしたが、その笑顔を見ると、まだ両親が殺されている事を少しも知らないでいるらしい。極めて無邪気な、人形のような美しい微笑を浮かべていたので、こんな事に慣れ切っていた草川巡査が、何故ともなく慄然とさせられた。
「マユミさんはまだ何も知らんのかね」
と草川巡査は眼を丸くしたまま小声でそう云って背後を振返ってみた。汗を拭いていた一知青年が、急に暗い、魘えたような眼付をしてうなずいたのを見ると、草川巡査も何気なく点頭いてマユミを振返った。
「マユミさん。今、神林先生が来はしなかったかね」
マユミはいよいよ美しく微笑んだ。
「アイ。見えました」
「その時にマユミさんは起きておったかね」