후리가나로 읽는 일본 고전
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
高村 光雲의 幕末維新懐古談(ばくまついしんかいこだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,380자 · 7화면
さて、段々と住んでいると、どうも普通の素人の住まった家とは趣が異う。いきなり、客間があったり仕事部屋があったりする処は妙だと、近所の人に聞いて見ると、これまでは牙彫師の鵜沢柳月という人が住んでいたのだということでした。
この人は先に彫工会の成り立ちの処で話しました谷中派の方の親方株の牙彫師で、弟子の三、四人も置いてなかなか盛んにやっていた人である。庭のお稲荷さんもその人がこしらえたものということ……それで、妙だと思った仕事場のことなども分りました(この家の持ち主は御徒町の料理店伊予紋であった)。家で仕事をするにも都合がよく、学校へ通うにはなおさら、昼食に一走り家へ帰ったとしても授業時間には間に合う位近いので、まことに気安くて都合がよかったのでした。老人が、どうしてこんな工合の好い家を見附けたものか、谷中の奥で、しかも通りからは横へ這入った人の気の附きそうもない処を、よく探し出したものと、何時もながら老人の眼の届くのを感心して家のものにも話したことでありました。この引っ越しは二十三年であったと思います。
この谷中時代に総領娘咲子を亡くしました。亡くなった日は明治二十五年の九月九日でした。