후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
こうふくのはさみ
幸福のはさみ
小川 未明
小川 未明의 幸福のはさみ(こうふくのはさみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,458자 · 9화면
正吉は、まだお母さんが、ほんとうに死んでしまわれたとは、どうしても信じることができませんでした。
しかし、お母さんが、もうこの家にいられなくなってから幾日もたちました。正吉はその間、毎日お母さんのことを思い出しては、さびしい日を送りました。彼は子供心にも、もうお母さんは死んでしまわれたので、けっしてふたたび帰ってこられないと思いながら、やはりまったく死んでしまわれたとは、どうしても、思うことができなかったのです。あのやさしいお母さんが、この世界のどこにも、まったくいられないと信じたら、そして、もうどんなことをしても、二度と見ることができないと信じたら、彼は、悲しさのあまり、胸が張り裂けてしまうからでありました。
お母さんが、じっと正吉を見つめられるときは、いつも、その真っ黒な目の中に、涙がたたえられていたのを、正吉は忘れることができませんでした。
お母さんがいられなくなってから、正吉は、せめてお母さんの面影を思い出すことを楽しみにしていました。空を吹く寒い風も、また、窓を打つ落ち葉の音も、それをばさまたげるものはなかったのです。
正吉は、夜になって、使いにやられるのを恐ろしがっていました。