후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
まぼろしのかなた
幻の彼方
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 幻の彼方(まぼろしのかなた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,763자 · 84화면
新らしい一つの生命が生れて出ている――而も自分と秋子との子として! 父親となり母親となることは、一つの運命の扉が開けることだった。その扉が開けるためには、如何に大きな力がのた打ち廻ったか! 二三時間前に産婦の室全体が唸り出したあの恐ろしい気配を彼ははっきり思い出した。
それにしても、あるかなきかの息をしながら身動もしないで、すやすや眠ってる赤児の存在が、可愛いいというよりも余りに小ちゃかった。今迄どうして腹の中に居られたのだろう、そしてよく生れたものだ、と思えるくらいの容積ではあったが、その活力が、存在が、一つの運命を荷ってるとしては、余りにちまぢまとしていた。赤児の存在とその運命とが、別々なものとなって彼の心に映じてきた。
然しそれは二つのものである筈はない!
彼は不思議な気持で、赤ん坊の方を覗き込んだ。真綿の帽子を取ると、黒い髪の毛が生え揃っていた。先の尖った馬鹿げて長い頭だった。産毛を一塊もじゃもじゃとさしたような眉の下に、閉じた眼瞼がすっと切れていた。額に皺が寄り、眼の縁がたるみ、唇が薄く、※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)が殆んどなかった。