후리가나로 읽는 일본 고전
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げんじゅつてんまたろう
幻術天魔太郎
野村 胡堂
野村 胡堂의 幻術天魔太郎(げんじゅつてんまたろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,616자 · 90화면
一行四人になって、高輪の大木戸をはいったのはもう夜です。
「お待ちもうしておりましたよ、お首領」
町のくらがりの中から、ヌッとでたのは、天魔太郎に助けてもらった野州の熊五郎です。どこで工面したか、ヨレヨレの素あわせに、ほおかむり、クマのようなヒゲだけはそり落して柄に似気なく人なつっこい声です。
「おまえは熊五郎、もう用事はないはずだが――」
天魔太郎はいちおう警戒しました。この男の口をひらかせるため、大牢から出してやりましたが、泉田筑後をすくってしまえば、もう用のない男です。
「用事はないとはなさけないじゃありませんか、お首領」
「そのお首領が気にいらないよ。おれはまるで泥棒仲間のようじゃないか、ほかに呼びようもあるだろう」
「あいすみません、あっしはこんなガサツな人間でなんと申しあげていいか見当もつきませんが、お首領でいけなければ、大将、先生、旦那、小頭、親分……」
「みんないけないよ」
「ともかく、たいへんなことをきいてきました。それをみやげに、あっしも子分のひとりにしてください。お願いでございます。第一あっしは、けんか兇状で大牢へぶちこまれておりましたが、生まれてこのかた、人さまのものをチリ一つとったおぼえはございません」