후리가나로 읽는 일본 고전
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かれがころしたか
彼が殺したか
浜尾 四郎
浜尾 四郎의 彼が殺したか(かれがころしたか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,336자 · 83화면
一体、清三は妻を虐待すると噂されたものの、妻を全く束縛して居ない事は、道子自身のようすでも分るのです。つまり、妻というものを全然無視して居るから、ああいう態度が執れたのかも知れません。所がこの、道子の自由な行動は、仮令夫には無視されて居たにしろ、世間には遂に無視しては居られぬ位のものになって了ったのでした。
道子が家庭を常に冷い牢獄のように考えて居り、それに克く堪え忍んで来たという事実は、一方に於て十分彼女の為同情をよんだのでしたが、同時に他方に於ては、彼女の品行問題に就て却って彼女の噂に不利益な根拠を与えたわけなのです。世人は彼女が若き学生等と交際する事を頻りに罵り始めました。中には誰某が彼女と特に親しいのだというような事を明かに云う人達も出て来ました。それにも不拘、彼女は之等の噂を全く聞かぬものの如く振舞って居ました。彼女にもまして、此の事に冷淡であったのは――少くも冷淡に見えたのは夫の清三でありました。
彼女の品行が果して如何なものであったかという事は、あの惨劇に依ってはしなくも暴露されたのでした。
斯様な有様で、外からは種々な取沙汰をされながらも、此の似合わしからぬ一対の夫婦は無事にK町で暮して居りました。