후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
おたか
御鷹
吉川 英治
吉川 英治의 御鷹(おたか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,767자 · 18화면
九
然し、角三郎はまだ落着いていた。鷹の寄りそうな樹を眺めているのか、丘の小高い所に立って、やや暫く、夕雲に顔を焦いて、凝と立っている――
そこから、広い夕空が見渡されるのであった。角三郎は、右手の人差指と中指を口の中へ頬ばった。そして、野駈けの折にふく鷹笛を吹きぬいた。
頭の上で――颯と風が答えたような気がした。然し、仰向いても、鷹のすがたは見えないのである。
幾たびか、指笛を、彼は繰返していた。――そのうちに、お悦がさけんだ。
『――居ました! 居ました! あの梢に』
高い樫の木の梢である。肩を張って、黒い物がとまっている。角三郎は、落着き払って、適度に近づいて行った。そして、自分の拳を見せるように振った。
だが、鷹の眼は、彼の拳を見向きもしない。樫の木から凝と、地上の何ものかを、鋭い眼で見つめているのだ。そこには、木枯しに吹き磨かれて、もう青く冴えている二日月の下に、弁馬の死骸が、まだ生々しい血しおを湛えて横たわっているのである。
九
仰向いたきりだった。頸の骨が痛くなるのも忘れて。
『ちいッ……』
舌打ちして角三郎は、懐中の物を、空へ抛った。印籠まで抛り上げた、そして指笛を吹いた。