후리가나로 읽는 일본 고전
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びしょう
微笑
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 微笑(びしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,995자 · 43화면
何でもごく屡々、私達はS――駅で一緒になった。歩廊に立ちながら電車を待っていると、よく困ることもあった。私が煙草を吸っていると、彼は黙って私の方へ寄って来て、意味ありげに私の姿を見ながら眼で微笑んだ。薄暗い中に私が口に吸った煙草の火の光りで、その眼付がちらと見えた。私も何ということなしに眼で微笑み返した。然しその時はもう互の顔は薄暗かった。待合所の中の電灯はただぼんやりした明るみを歩廊の上に送ってるきりだった。私はむやみにすぱすぱ煙草を吹かした。彼は向うへ行ったり来たりした。互に何か話しかけたい思いをしながら、その機会がなかった。もしどちらからか煙草の火でも借りようとすれば、容易にその機会は掴めるのだったが、どういうものか二人共それは忘れていた。
妙にむず痒いような気持ちを私は彼に対して覚えた。薄暗い駅内と明るい車室と寂しい夜更けの街路とを背景にするその「知り合いの他人」との出会には、何だか不思議なものが籠っていた。彼に逢わない時は妙にもの足りなかったが、逢えばまた自分の心の置場に困った。平気で言葉をかけてはいけないものだろうか? 然しそれがどうしても出来なかった。