후리가나로 읽는 일본 고전
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しんりしけん
心理試験
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 心理試験(しんりしけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,728자 · 46화면
それは事件の当日五千二百何十円在中の一個の財布が、老婆の家から程遠からぬ――町に於て拾得されたが、その届主が、嫌疑者の斎藤の親友である蕗屋清一郎という学生だったことを、係りの者の疎漏から今日まで気附かずにいた。が、その大金の遺失者が一ヶ月たっても現れぬ所を見ると、そこに何か意味がありはしないか。念の為に御報告するということだった。
困り抜いていた笠森判事は、この報告を受取って、一道の光明を認めた様に思った。早速蕗屋清一郎召喚の手続が取り運ばれた。ところが、蕗屋を訊問した結果は、判事の意気込みにも拘らず、大して得る所もない様に見えた。何故、事件の当時取調べた際、その大金拾得の事実を申立てなかったかという訊問に対して、彼は、それが殺人事件に関係があるとは思わなかったからだと答えた。この答弁には十分理由があった。老婆の財産は斎藤の腹巻の中から発見されたのだから、それ以外の金が、殊に往来に遺失されていた金が、老婆の財産の一部だと誰れが想像しよう。
併し、これが偶然であろうか。事件の当日、現場から余り遠くない所で、しかも第一の嫌疑者の親友である男が(斎藤の申立によれば彼は植木鉢の隠し場所をも知っていたのだ)この大金を拾得したというのが、これが果して偶然であろうか。