후리가나로 읽는 일본 고전
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あやしのやかた
怪しの館 短編
国枝 史郎
国枝 史郎의 怪しの館 短編(あやしのやかた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 81,915자 · 165화면
「つまらない事云わねえものだ。戸を開けるに得手も不得手もねえ。みんな厭なら仕方がねえ」忠蔵はひょいと立ち上がったがどこか腰の辺が定まらない。土間へ下りると下駄を突っかけそこから仕事場を振り返り、
「おい確り見張っていねえ」
こう云ったのは忠蔵自身がやはり恐い証拠でもあろう。それでも足音を忍ばせてそっと表戸へ近寄ると潜戸の閂へ両手を掛けた。
とたんにトントンと叩かれたのでハッと一足退いたが、連れて閂がガチリと外れ、その音にまたギョッとしながら忠蔵は店へ飛び上がった。と、潜戸がスーと開いて、まず痩せこけた蒼白い手が指先ばかりチラリと見え、それから古ぼけた帷子姿を半身ぼんやりと浮かばせるとツト片足が框を跨ぎ続いて後の半身がヨロヨロと土間へはいって来た。
顔は胸まで俯向いている。雪のように白い頭髪を二房たらりと額際から垂らし、どうやら髻も千切れているらしく髷はガックリと小鬢へ逸れ歩くにつれて顫えるのである。身長勝れて高くはあるが枯木のように水気がなく動くたびに骨が鳴りそうである。左の肩をトンと落とし腕はだらりと脇に下げ心持ち聳やかした右の肩を苦しそうな呼吸の出し入れによって小刻みに波のように動かすのである。