후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
佐左木 俊郎의 恐怖城 他5編(きょうふじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 143,735자 · 290화면
(帰り道だ! 帰り道で女のほうだけでも……)
彼はそう考えて、沼のような落ち着きを装いながら馬車を追い進めた。
3
原生闊葉樹林帯を抜けると、馬車は植林落葉松帯の中を通り、開墾地帯に出ていった。道はようやく平坦になってきた。馬車は軽やかに走った。
午後の陽は畑地一面に玻璃色の光を撒いていた。どこまでもどこまでも黄褐色の大豆畑が続き、その茎や莢についている微毛が陰影につれてきらきらと畑一面に蜘蛛の巣が張っているように光っていた。そして、ところどころには玉蜀黍がその枯葉をがさがさと摺り合わせていたりした。
しばらくして、馬車の前方に一人の人影が見えだした。馬車の進むにつれしだいに大きく、しだいに形を整えて、その後姿が接近してきた。赤い帯、頭のてっぺんに載っている桃割れ。錆茶の塗下駄。十六、七の少女だった。少女はその小脇に風呂敷包みを抱えていた。そして、少女は何かに追い立てられているように、急いでいた。
「あら! 蔦やじゃないかしら?」
紀久子は立ち上がるようにして言った。敬二郎も顔を上げた。しかし、正勝はなんらの感動をも受けてはいないもののようにして、馬を追い進めた。