후리가나로 읽는 일본 고전
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おんをかえすはなし
恩を返す話
菊池 寛
菊池 寛의 恩を返す話(おんをかえすはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,018자 · 19화면
「甚兵衛殿は、島原での覚えがあろう。太刀はおよそ何寸が手頃じゃ」などという質問が、よく甚兵衛に向けられた。そのたびに彼は不快な記憶を新たにした。
その上に、惣八郎は秘蔵の佩刀の目貫に、金の唐獅子の大きい金物を付けていた。それを彼は自慢にしているようであった。誰かに来歴をきかれると、
「これでござるか、天草一揆の折、分捕った十字架を鋳直した物でござる」と彼は得意らしい微笑を洩した。それ以上の詳細な説明はしなかったが、そばで聞いている甚兵衛は、席にいたたまらぬまでに赤面するのを常とした。
寛永十八年に、藩主忠利侯が他界して、忠尚侯が封を継いだ。それを唯一の事変として、細川藩には、封建時代の年中行事がつつがなく繰り返されるのみであった。
甚兵衛が三十の年を迎えた時、こうしていては際限がないと思った。これまでとは全然別な手段を採ろうと決心した。それは虫の好かぬ惣八郎と、努めて昵懇になろうとすることであった。もし、それが成功したら、嫌な人間から恩を受けているのではなくして、昵懇の友人から受けていることになると思った。そして、彼はややそれに成功した。ある口実があったのを機会に、家伝の菊一文字の短刀を惣八郎に贈ろうとした。