후리가나로 읽는 일본 고전
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おんをかえすはなし
恩を返す話
菊池 寛
菊池 寛의 恩を返す話(おんをかえすはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,018자 · 19화면
彼は自分の家に無くてはならぬ宝刀を失うことによって、恩を幾分でも返したというような心持を得たいと思ったのである。が、惣八郎は、真正面からそれを拒絶した。甚兵衛はまたそのことを快く思わなかった。惣八郎は、故意に恩を返させまいとするのだ、彼は一生恩人としての高い位置を占めて、黙々のうちに、一生自分を見下ろそうとするのだと甚兵衛は考えた。それならばよい、意地にも返してみせる、命を助けられたのだから、見事に助け返してやると思った。二人の間は見る見るうちに、また元にかえった。
しかし、途中で会えば、惣八郎はたいてい言葉を掛けた。甚兵衛は、多くは黙礼をもってこれに対した。そのうちに、二、三年はまた無事に過ぎ去ってしまう。
金の唐獅子はあいかわらず惣八郎の佩刀の柄に光って、甚兵衛の気持を悪くした。
その目貫は、甚兵衛には惣八郎に恩を負うていることを示す永久の表章のように思われた。惣八郎は、故意にその目貫を愛玩するのだとさえ、甚兵衛は思った。
甚兵衛が四十になった時、甚兵衛と惣八郎とが相番で殿中に詰めていた。その夜、白書院の床の青磁の花瓶が、何者の仕業ともなく壊された。