일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おんをかえすはなし

恩を返す話

菊池 寛

菊池 寛의 恩を返す話(おんをかえすはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,018자 · 19화면

아오조라 문고

彼が明暮望んでいた通り、恩人に大なる危害が迫っている。しかもその危害の糸を引く者は、実に彼自身であった。

彼は命を捨てて掛ろうと思った。長く自分を苦しめた、圧迫を今日こそ、他に擲つことができると思った。

しかしなお残っているのは、手段の問題であった。彼は最初上意と名乗りかけて、かえって自分が討たれようかと思った。しかし、それでは自分を犠牲にすることが先方に分からぬと思った。彼は二刻もの間考え迷った末、次のような手書を認めた。

「一書進上致しそろ、今日火急の御召にて登城致し候処、存じの外にも、そこもとを手に掛け候よう上意蒙り申候。されどそこもとには、天草にて危急の場合を助けられ候恩義有之、容易に刃を下し難く候については、此状披見次第申の刻までに早急に国遠なさるべく候。以上」

そして心利いた仲間を使いに立てた。やがて暮に近い頃、彼は近頃にない晴々しい心地で惣八郎の家を訪うた。

が、そこにはなんらの混乱の跡がなかった。塵一つ止めてない庭には、打水のあとがしめやかであった。彼は、意外の感に打たれながら、案内を乞うと、玄関へ立ち現れたのは、まぎれもない惣八郎自身であった。