후리가나로 읽는 일본 고전
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わたしのちちとはは
惜しみなく愛は奪う
有島 武郎
有島 武郎의 惜しみなく愛は奪う(わたしのちちとはは)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 34,351자 · 70화면
七
八
九
一〇
七
我らはしばしば悲壮な努力に眼を張って驚嘆する。それは二つの道のうち一つだけを選み取って、傍目もふらず進み行く人の努力である。かの赤き道を胸張りひろげて走る人、またかの青き道をたじろぎもせず歩む人。それをながめている人の心は、勇ましい者に障られた時のごとく、堅く厳しく引きしめられて、感激の涙が涙堂に溢れてくる。
いわゆる中庸という迷信に付随しているような沈滞は、このごとき人の行く手にはさらに起こらない。その人が死んで倒れるまで、その前には炎々として焔が燃えている。心の奥底には一つの声が歌となるまでに漲り流れている。すべての疲れたる者はその人を見て再びその弱い足の上に立ち上がる。
八
さりながらその人がちょっとでも他の道を顧みる時、その人はロトの妻のごとく塩の柱となってしまう。
九
さりながらまたその人がどこまでも一つの道を進む時、その人は人でなくなる。釈迦は如来になられた。清姫は蛇になった。
一〇
一つの道を行く人が他の道に出遇うことがある。無数にある交叉点の一つにぶつかることがある。その時そこに安住の地を求めて、前にも後ろにも動くまいと身構える向きもあるようだ。