후리가나로 읽는 일본 고전
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せきべつ
惜別
太宰 治의 惜別(せきべつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 91,984자 · 178화면
かつて日本を遊歴した事のある礦路学堂の先輩の許をおとずれて、日本遊学の心得を尋ねた。その先輩の言うには、日本へ行って最も困るのは足袋だ、日本の足袋は、てんで穿けやしないから、支那の足袋を思い切ってたくさん持って行くがいい、それから紙幣は不自由な時があるから、全部、日本の現銀に換えて持って行った方がいい、まあ、そんなものだ、ということだったので、自分は早速、支那の足袋を十足買って、それから所持金を全部、日本の一円銀貨に換え、ひどく重くなった財布を気にしながら、上海で船に乗って横浜に向った。しかしその先輩の遊学心得は少し古すぎたようである。日本では、学生は制服を着て、靴と靴下を穿かなければいけなかった。足袋の必要は全然なかった。また、あの恥かしいくらい大きな一円銀貨は、日本でとうの昔に廃止されていて、それをまた日本の紙幣に換えてもらうのに、たいへんな苦労をした。それは後の話だが、自分がその明治三十五年、二十二歳の二月、無事横浜に上陸して、日本だ、これが日本だ、自分もいよいよこの先進国で、あたらしい学問に専念できるのだ、と思った時には、自分のそれまで一度も味った事の無かった言うに言われぬほのぼのした悦びが胸に込み上げて来て、独逸行きの志望も何も綺麗に霧散してしまったほどで、本当に、あのような不思議な解放のよろこび