후리가나로 읽는 일본 고전
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あいとにんしきとのしゅっぱつ
愛と認識との出発
倉田 百三
倉田 百三의 愛と認識との出発(あいとにんしきとのしゅっぱつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 64,420자 · 129화면
魯鈍なる群衆の雑踏を見ては、私に一中隊の兵士があれば彼らを蹂躪することができるなどと思った。私の目の前をナポレオンと董卓と将門との顔が通っては消えた。強者になりたい。これが私の唯一の願望であった。私は法科に転じた。私は欲望の充足のために力が欲しいとしみじみ思った。力よ、力よと思った。ああ欲望と力! こう思って私は胸をおどらした。このとき愛と犠牲とは私にとって全く誤謬であった。それよりも人間自然の状態は万人が万人に敵たるの状態であるというホッブスの言葉が力強く心に響いた。Alles Leben Leiden というショウペンハウエルの言葉が耳元を去らなかった。
しかしながら私の思想がしだいにエゴイズムに傾くとき、私に最も直接な痛刻な苦悩を感じさせるものがあった。それは私の無二の友なるSというものの存在であった。私はいうが、私らは涙のこぼれるほど誠実なる友情を持っていた。二人は細かなる理解をもって骨組まれたる実在的なる友情を誇っていた。それに小さいときから机をならべていたという濃やかな思い出が、二人の間にいっそう離れがたき執着を繋いでいた。私はこの友の存在が確認したくてならなかった。