후리가나로 읽는 일본 고전
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あいとにんしきとのしゅっぱつ
愛と認識との出発
倉田 百三
倉田 百三의 愛と認識との出発(あいとにんしきとのしゅっぱつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 64,420자 · 129화면
わが国の哲学界を見渡すときに、われらはうら枯れた冬の野のような寂寥を感ずるよりも、乱射した日光に晒された乾からびた砂山の連なりを思わされる。主なき研究室の空虚を意識せぬでもないが、それよりも街頭に客を呼ぶあさはかな喧騒を聞くような気がする。近代の苦悩を身にしめて、沈痛なる思索をなしつつある哲学者はまことに少ない。まれに出版される書物を見れば通俗的な何々講習会の講演の原稿が美装を凝らして現われたのにすぎない。著者の個性のあらわれた独創的な思想の盛りあげられた哲学書はほとんどない。深刻な血を吐くような内部生活の推移の跡の辿らるるような著書は一冊もない。そればかりではない。彼らは国権の統一にその自由なる思索の翼を搦まれている。ローマ教会の教権が中世哲学に累したごとく、国権がわが現今の哲学界を損うてる。彼らの倫理思想のいかに怯懦なることよ。彼らは蒼い弓なりの空と、広くほしいままに横たわる地との間に立って、一個の自然児として宇宙の真理を説く思想家ではない。それどころではない。われらと同じく現代の空気を呼吸して生き、現代の特徴をことごとく身に収めて、時代の悩みと憧憬とを理解せる真正なる近代人さえもまれである。