후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
山川 方夫의 愛のごとく(あいのごとく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 103,908자 · 210화면
けっして都会のそれのようなしゃれた金網が張られているわけではない。
タンカース・インの裏口を出ると、その有刺鉄線をからませた柵をこえて、いちめんの幼い松の葉が幾重にも黒い雲をかさねたように輝き、高い、なにに使うのかがわからない一本の鉄柱の左肩に、北極星が冴えて停っていた。なだらかにふくらむ丘の向うにある町はずれの住宅地は、二三の遠い灯りとしか見ることができなかった。
酸いケチャップ・ソースや香ばしいパンの匂いやらのなまあたたかく漂うキッチンの網戸の前を通り、乾いた砂の道を、山のようなドラム缶の前を抜けて歩いて行く。便所は、ホールから遠くはなれた松林の近くだった。
キャムプに着くとすぐ、冷えるためか楽団員たちは便所へ行く。信二は彼らの帰るのと入れちがいにいつもホールを出た。それまでに譜面台や楽譜などを整えておく仕事もあったし、彼はそうして冷えびえとした夜を一人でぶらぶらと歩いて行くのが好きだった。ときどき、ウェイトレスたちが、網戸をあけ焼きたてのパンやロースト・ビーフなどをくれる。クリスマスの晩は小さな七面鳥の腿の肉をくれた。
「坊やさん」と、娘たちは彼を呼んだ。