일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

山川 方夫의 愛のごとく(あいのごとく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 103,908자 · 210화면

아오조라 문고

女がなんといっても、それは実行した。私は、女との間に、いかにも夫婦めいた「日常」がはじまり、それがいつとはなく根を下ろすのをおそれていたのだった。女も、諦めたようになにもいわなくなった。

もう、秋も終り近くなったある夜だった。まるで颱風のように風雨がはげしく、夜半から、さらにそれがひどくなった。でも、私はそういう外界の雑音にはまったく無神経だったから、どうということもなく仕事をつづけていた。と、ふいに電灯が消えた。停電だった。

風が遠く近くで唸り、雨戸がさわがしく鳴りつづけていた。二、三分すると電灯は点いたが、机に向うとまた消えて闇になった。そんな短い停電が幾度かくりかえされ、私はいやになって仕事をやめ、煙草をつけて背後の女を振りかえった。その夜も、女は蒲団の上に膝を曲げてころげていた。タオルとスカーフとで手首と口を縛られ、目だけが黒い石のように光って私を見ていた。

「ほどく?」と私は訊ねた。が、女は目で微笑するとゆっくりと首を振った。そして頭を蒲団の同じ位置に戻し、またよく光る黒い石の目になって私を眺めた。それは闇の中でもじっとみつめつづけているのかもしれなかった。