후리가나로 읽는 일본 고전
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
山川 方夫의 愛のごとく(あいのごとく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 103,908자 · 210화면
死者は、ひとつのそっとしておいてやらねばならぬ闇だ。私には、無言でうずくまったままの真理子の母だけに友情がかんじられた。おれは、ほんとうはあの母のように、じっと真理子の柩の前で畳に額をすりつけていたいのかもしれない、と私は思いついた。
だが、私は通夜の席をはなれたくはなかった。もう一度、真理子の声をききたい、と私は思っていた。いつもの、あの姉さんぶった悪口か、馬鹿ばなしでいい。あの笑い声がききたい。
私が人びとなみに真理子について考えてみたのは、保井家の便所に入ったときのことだ。その臭気が屍臭を思い出させた。でも私が彼女を想ったのはそれからではない。後架の前の壁に、精密なフランスの地図が、鋲でとめてあった。二年前、そこにはブラジルの地図が貼られていた。真理子は甲高い声で笑いながら、それは彼女の発案で、保井と二人で架空の旅をたのしむのだ、家のひともみな面白がっていると説明した。
マリ子 あなたいま、どこを旅行中? 一人でどこに行っているの?
ススム うん、パリにも飽きたんでね、ちょっと南仏に出かけてピレネの山を見てきた。ツールーズから、いまはモンペリエにきたところさ。