후리가나로 읽는 일본 고전
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あいけいでん
愛卿伝
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 愛卿伝(あいけいでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,745자 · 14화면
楊完の麾下に劉万戸という者があったが、手兵を連れて突然趙の家へきた。愛卿は大いに驚いて逃げようとしたが、逃げる隙がなくとうとう捕えられて、万戸の前へ引きだされた。
万戸は愛卿の顔を赤濁のしたいかつい眼でじっと見ていたが、いきなり抱きかかえて一室の中へ入って往った。愛卿はもう悶掻くのをやめていた。万戸の毛もくじゃらの頬はすぐ愛卿の頬の近くにあった。
「体が、体が汚れております、ちょっと湯あみをさしてくださいまし」
万戸はすこし顔を引いて愛卿の顔を見た。
「なりもこんな汚いなりをしております、ちょっとお待ちを願います」
愛卿はにっと笑って万戸の眼を見入った。
「そうか」
万戸もにっと笑って愛卿を下におろした。
愛卿はも一度万戸の方を見て恥かしそうに笑いながら外へ出た。そして、一室へ入って水で体を洗い、静かに、傍の閤へ入って往ったが、それっきり出てこなかった。
女のくるのを待っていた万戸は、あまり遅いので不審を起して、探し探し閤の中へ往った。閤の中では愛卿が羅巾を首にかけて縊れていた。
万戸は驚いて介抱したが蘇生しないので、綉褥に包んで家の背後の圃中にある銀杏の樹の下へ埋めた。