후리가나로 읽는 일본 고전
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あいしょへき
愛書癖
辰野 隆
辰野 隆의 愛書癖(あいしょへき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,404자 · 23화면
殊にパリの国立図書館の被害が著しい。彼が盗んだ書物は大抵外国に売り飛ばされたが、彼に関する被害は、国立図書館だけでも、少くも百件を下らぬそうである。
此の書物泥棒が更に発展すると、愈々殺人となるのであるが、その方面の実例はあまり多くないようである。然しあることはある。最も著名な例を挙げれば、一八五〇年、バルセロナの本屋ドン・ビンセントが、当時世界中に一冊しかないと信じられていたスペインの古書(一四八二年版)を同業者のアウグスチン・バトクソットと争って遂に相手を殺した事件がある。裁判の時に、たまたま該書はパリにも一、二冊残存している事実が発表されて、ビンセントは之を知ってひどく残念がったが、同業者を殺した事は何とも思わなかったそうである。裁判の結果、彼は他にも十二人殺していた事が明かになった。若い坊主一名、ドイツの学生一名、スペインの詩人一名、其他九名の愛書家を殺したのであるが、何れも一度売った書物を取戻す為だった。売っては殺し、売っては殺して、十三人片付けた時に、――数が悪かった――此度は自分の方が死刑に処せられる事になったのである。彼は死刑を受ける前に遺言して、自分の蔵書を鄭重に取扱って呉れるようにと云う条件を附けて、バルセロナの図書館に悉く寄附する事を申し出た。