일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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よく

慾

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 慾(よく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,324자 · 33화면

아오조라 문고

その会に行くべきか否かが、僕にとっては重大な問題だった。虫が知らしたとでもいうのだろう。当の日曜日の午過ぎまで躊躇したあとで、とうとう、一張羅のお召に草履という僕には不似合な姿で、一寸顔を出してみることにした。母がラジオの清元を楽しんでるのが、僕の決心の動機の一つだった。そういう逡巡のために、彼女……というよりここでは千代次と呼んだ方がいいが、その唄を聞きもらしてしまった。芸者衆ばかりの踊と素唄とを交えた常盤津の会で、千代次は始めの方の『松島』の唄の一人に出たのだった。それに間に合わなかったのを、僕は却って幸だと思った。後で批評を聞かれた時に困るのだ。常盤津のことなんか僕には更に分らない。全部の番組のうちで、元来能に興味を持ってる僕は、『釣り女』の踊に少しばかり感興を覚えただけだ。然しそんなことは初めから予期していた。予想に反したのは、観客全体の黒っぽさだ。会の性質上、そこにはぱっと明るい色彩が展開されてることと思っていた。派手な色彩と香料との温室だ。ところが実際は、室の中は冷かだし、香料は淡く、色はくすんでいる。痩せた浅黒い顔がいくらもあるし、背広服の男が多数だし、女は大抵じみな着物に、黒の紋付なんかをひっかけている。