일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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わがやのらくえん

我が家の楽園

久生 十蘭

久生 十蘭의 我が家の楽園(わがやのらくえん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 90,195자 · 175화면

아오조라 문고

爪に塗ったエナメルを剥がしたくないひとのために、よごれた皿が、自動的に蒸気洗浄されたうえ、ひとりでに乾いてしまうので、あとは、口で銜えてでも、かんたんに皿棚へかえせるようになっている。

そのとなりが電気タワシのついた流し台で、厨芥や汚物は、電気の装置が自動的に外へ持ちだしてしまうので、中気で手にふるえのきているひとでも、めったにしくじるということはない。

そこで直角にまがって、問題のテレビ付電気レンジというのがすわっている。

鳥目のひとが、電源に指先を触れ、熱ッと、はねまわらずにすむように、つい鼻先に昼光ランプがつき、手をつかうことも、口をつかうこともできない小児麻痺患者のために、時計仕掛で、自動的にテンピの蓋があくようになっている。レンジの上には、いつも排気用の電気扇が廻っているので、鮫や、飛魚や、秋刀魚や、悪臭をたてる下等な魚を煮焼きしても、近所隣家に気どられずにすむ便宜がある。

わが石田家には、鳥目も小児麻痺もいないから、昼光ランプも、時計仕掛けの開閉装置も、たいした実益はなさそうだが、渋谷のバラックでは、鮫を焼くたびに、一人がそばにいて、おしっこに似たアンモニア臭を渋団扇で追いちらす役をし、気のひける思いばかりしていたので、排気用の電気扇だけは、非常に印象が強かった。