후리가나로 읽는 일본 고전
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
室生 犀星의 我が愛する詩人の伝記(わがあいするしじんのでんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 116,728자 · 231화면
娘さんとの交際は一、二年くらいのみじかさで終り、東京の人と結婚したらしい、いわば失恋という一等美しい、捜せば何処にでもあってしかも何処にもないこの愛情風景が、温和しい立原に物の見方を教えてくれただろうし、心につながる追分村が、ただの村ざとでなくなっていたのであろう。
立原は村の油屋という古い旅館で、生涯の夏の大半を送った。昭和十二年大学を卒業した年に、この油屋が焼けて二階に寝ていた立原は逃場を失い、むかしお女郎部屋も兼ねていた部屋の格子の窓の柵をこわして、やっと焼け死ぬことを遁れた。神保光太郎にあてた彼の手紙には先ず、「悲劇は豚の鳴声に初まつた。」と書いていたそうであるが、油屋の隣家にあった豚小屋から火が出たらしく、豚は火の中で悲鳴をあげて呼び続けていたというのか、それとも立原は自分自身で二階の柵をこわしながら、たすけてくれと呼び続けたそれを自嘲したかも判らぬ。
その火事があった二日の後に、立原は私の東京の家に悄然と現われた。彼は着のみ着のままだといい、レインコオトか何かを引っかけていた。道路から屋根に梯子を架け、外からも柵をこわしてすくい出されたといった。